畳の原料『い草』の香り成分について

2026年1月22日

和室の香りと聞いて、
畳の香りを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。

畳の主な原料は「い草」です。
今回は、畳の香りのもとになっている、い草の香り成分について、
現在わかっている範囲の情報をもとに整理してみます。

畳表に使われている、い草の織り目のアップ写真

い草の香りの成分

い草には、いくつかの植物由来の香り成分が含まれていることが知られています。
いずれも、私たちの身近な自然の中にも見られる成分です。

代表的なものとして、次のような成分が挙げられます。


フィトンチッド

フィトンチッドは、
森林の香りのもとになる成分として知られています。

植物が自らを守るために放出する物質で、
森の中に入ったときに感じる、
すっきりとした空気感の一因とも言われています。

い草にも、こうしたフィトンチッド系の香り成分が含まれており、
畳の香りを構成する要素のひとつになっていると考えられています。


ジヒドロアクチニジオリド

ジヒドロアクチニジオリドは、
紅茶や緑茶などにも含まれる香り成分です。

単独で強く主張する香りというより、
他の香りを引き立て、全体をまとめる役割を持つ成分として知られています。

い草の香りの中でも、
やわらかな印象をつくる一因になっていると説明されることがあります。


α-シペロン

α-シペロンは、
植物由来の香り成分のひとつです。

い草に含まれる場合、
落ち着いた植物の香りとして感じられることがあると言われています。

畳の香りを
「どこか穏やかに感じる」と表現する人がいるのも、
こうした成分が重なっているためかもしれません。


バニリン

バニリンは、
バニラの香りのもとになる成分として知られています。

い草の香りの中にも微量に含まれており、
畳の香りを
「ほんのり甘く感じる」と表現する人がいる理由のひとつとして挙げられることがあります。


い草の香りと畳の空間

い草の香りは、
香水のように強く主張するものではありません。

複数の成分が重なり合い、
部屋の空気になじむような香りとして感じられることが多いと言われています。

畳替えをしたあとに、
「部屋の印象が変わった」
「空気が少し違うように感じた」
と感じる方がいるのも、
こうした香りの変化が一因になっているのかもしれません。


香りの感じ方について

香りの感じ方には個人差があります。
また、畳の状態や部屋の広さ、換気の状況によっても印象は変わります。

すべての人に同じように感じられるものではありませんが、
畳の香りは、
暮らしの中で自然に受け取られてきた要素のひとつだと言えるでしょう。


まとめ

い草の香りは、
フィトンチッドやジヒドロアクチニジオリド、
α-シペロン、バニリンといった
植物由来の香り成分が重なり合って生まれるものです。

特別な効果を期待するものではありませんが、
畳のある空間が持つ空気感の一部として、
多くの人に親しまれてきた香りだと考えられます。

畳替えを検討される際には、
見た目だけでなく、
こうした素材の持つ特徴にも目を向けていただければと思います。

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