襖(ふすま)の表替え?片面だけの張替えは可能?
「ふすまは同時に両面張り替えないとダメなのか?」
「片面だけだと何か問題があるのか?」と気になることはありませんか?
ふすまには、それぞれのお住まいの部屋の配置によるパターンがあります。
多くは以下の3つの状態だと考えます。
ふすまのパターン
ふすまは状況によって以下のようなパターンがあります。
➀表側と裏側にふすま紙が張ってある場合(和室と和室の間仕切りなど)
➁和室側にふすま紙、洋室側は板もしくはクロス
➂押入れ・物入れの場合
→和室側はふすま紙、押入れ内側については、和襖(わぶすま)か戸襖(とぶすま)かによって少し変わります。
和襖の場合は、裏には雲花紙/雲華紙(うんかし)を張ることが多いです。
人の目につく場所ではないことと、片面だけふすま紙を張るとふすまが反ってしまうので反るのを防ぐ目的があります。ふすま紙よりも安価という理由もあるのかもしれません。
戸襖の場合は、裏側が板になっていることも多く、表側のみの張替えとなります。
➁や➂のお住いの状況から「ふすまを”表替え”したい」というご依頼をいただくことがあります。
ふすまの”表替え”という言葉。
【表替え】という表現は、畳のゴザ(表面)を新しい畳表に張り替える際に使われるため、ふすまで「表替え」という表現は一般的ではありません。
ただ、上記に書いたように「押入れが戸襖のため、表側だけふすま紙が張ってあるお住まい」では、そのような表現になることも無理はないかもしれません。
和室と洋室の境に用いられている襖も、和室側はふすま紙、洋室側は戸となっていることが多いため、こちらの場合も襖側の一面だけを張替えご希望ということがあります。
両面ともふすま紙の場合、片面だけの張替えは可能か?
表側/裏側ともふすま紙である場合「片面側の部屋が客間なので、客間側だけ張替えたい」と思われる場合があるかもしれません。
当店としては同時の張替えをお勧めします。
理由は2つあります。
1、片面だけだとふすまが反る可能性も
紙の性質として、新しい紙の方が引っ張る力が強いという特徴があります。
紙は古くなると”しょうぬける”ので、繊維ももろくなります。
和襖は内部の構造から芯がやわらかいので、張替えた側にふすまが反る可能性があります。
同じ理由で、ダンボール襖、スチロール襖も該当します。
(戸襖は内部が板なので他の襖よりも反りは少ないと考えられます)
2、利便性の問題
これは性質うんぬんという理由ではありません。
ふすまの片面だけを張替えるとしても、張替えるためにふすまを外して、工房まで持ち帰らせていただき張替えるために数日お預かりします。
その間、ご自宅にはふすまがない状態です。
普段あるものがなくなってみると、案外不便を感じるものです。
それを考えると、ふすまがない状態の回数は少ない方が良いのではないでしょうか?
まとめ
・”表替え”は畳で使われることばである
・片面だけの張替えは可能。ただし両面がふすまの場合は紙の性質も考慮して決めた方がいい
いかがでしたでしょうか?
張替えをお考えの際の一助になれば幸いです。