戸襖(とぶすま)の張替えで困ること~めくれたベニヤをどうするか~
ふすまには、「和襖」「戸襖」などの種類があります。
(詳しくは、ふすまの張替えその1~和襖と戸襖の違いについて~ をご参照下さい。)
今回は、当店が施工する際、戸襖(とぶすま)の張替えで困ることと、依頼者様への対応について書きました。
戸襖の張替えで困ること
張替えでは、依頼されたふすまによって、対応が変わることがあります。
種類によっても対応が変わりますが、依頼されたふすまの状態でも変わります。その一つが、静岡で多い戸襖の張り替えに関してです。
戸襖の下地はベニヤ板です。
年月が経ち古くなった襖は当然ベニヤ板も古くなっています。
ベニヤ板は接着剤で張り合わせて作ってあるので、古くなると接着力がなくなりいたがめくれてきてしまうことがあります。
少しわかりにくいかもしれませんが、こんな風にベニヤがめくれてしまうとそのまま襖紙を張ることができません。
特にこの写真のように糊をつける縁に近い部分がめくれるとアウトです。
お客様に確認をすることになります。
ちゃんと修復するためにはベニヤ板を交換することになりますが、金額と出来上がりを考えるとそこまでするのであれば新しく作った方が・・・
となります。
今の襖の状態をお客様に伝え、選択肢もお伝えします。
その上で、お客様のご判断にお任せすることになります。
はがしてみないとわからない中の状態
和襖か戸襖かは、ご依頼の段階でわかります。
戸襖の張り替えにおいて一番困るのは、このベニヤの傷みはいま張ってある襖紙をはがしてみないとわからないことが多いことです。
はがしてみたらベニヤ板がベコベコだった…ということがあります。
ご依頼の際にそのことが目に見える場合は、その場でそのことを確認できるため、お客様にもご納得いただきやすいです。しかし、はがしてみてからわかることが多いため、もともとはそんなに傷んでいるように見えなくて、まだまだ使えそうなのに。。。と思っても無理はありません。
ということで写真のようにきれいにめくれてしまっている場合にははがれたものを接着剤でつけるという簡易補修をすることもあります。
お客様が納得して選ぶことが大事
和紙が引っ張る力は非常に強いので、めくれてしまうような傷んだベニヤでは、紙の引っ張りに負けて浮いてしまう可能性があります。
そして、糊付けする部分が傷んでいると仕上がりもきれいにできません。
こういった部分も含めてお客様に説明して相談のうえ、納得していただける対処をします。
まとめ
・古くなった戸襖は接着力が弱くベニヤ板の部分がめくれてきて剥がれやすくなり、その状態では張替えはできない。
・中のベニヤ板が傷んでいるかどうかは、襖紙を話してみないとわからないことが多い。
そのため、戸襖の中の状態を説明して、お客様が納得のいくような対応を心がけております。
最後までお読みいただきありがとうございました。