障子の張替え|プロ職人が教えるキレイに仕上げる5つのコツ【写真つき解説】

2025年6月26日

障子の張替えは、毎年の大掃除や季節の節目に行う方も多いですが、いざやってみると「思ったより難しかった…」という声もよく耳にします。

この記事では、障子張替え専門職人が現場の経験からまとめた「プロの5つのコツ」を、道具の選び方から作業の流れまでわかりやすく解説します。

今年の張替えは、ぜひひと味違う仕上がりを目指してみませんか?

障子張替えに必要な道具と材料【準備編】

まずは、準備がとても大切です。道具をしっかり揃えることで、作業がぐっとスムーズに進みます。

基本の道具・材料

・雑巾…障子の掃除・はみ出した糊の拭き取りなどに使用します。

・刷毛(はけ)…障子枠や組子に糊をつけます。「付け廻し刷毛」もしくは「切継刷毛」と言われる種類の刷毛を使います。

・糊盆(のりぼん)…糊を広げるための容器です。ここから刷毛に糊をとります。

・でんぷん糊…障子紙を張るための糊です。障子用糊という表記で売っているものもあります。

・カッター…余った紙をカットする時に使います。新しい替刃を用意します。

・定規…余った紙をカットする時に使う定規です。普通の定規だとカットが難しいだけでなく、手を切ってしまう危険も増します。専用の定規を用意することをお勧めします。

・ペイントローラー…組子の糊づけで使うと、早く綺麗に仕上がります。

・障子紙…張替える障子の幅と長さを確認して、障子枠より大きな紙を用意します


あると便利な補助道具

・スポンジ…古い紙を剥がす時に、障子を濡らすために使います。

・プラスティックの定規…古い障子紙を剥がす時にあると便利です。

・霧吹き…仕上げで使用します。

・マスキングテープ…巻癖のある障子紙を仮止めするために使います(セロハンテープでもOK)


障子張替えの手順と5つのポイント【作業編】

ここからは、実際の作業の流れと、仕上がりを美しくするための5つのポイントをご紹介します。
ご自宅でも安心して取り組めるよう、プロ職人の経験をもとに詳しく解説します。


① 古い障子を剥がす

水を含ませたスポンジで、糊が付いている部分の障子紙に水をつけます。雑巾や刷毛で水をつけても構いません。
糊が水で溶けたら紙を剥がし、固く絞った雑巾で枠や組子に残った糊や汚れを拭き取ります。

ポイント1

  • 十分水をつけてから5分程度おき、糊が溶けるのを待ってから紙を剥がす
  • 紙を剥がした後は、プラスチック定規などで残った糊をやさしくこそぎ落とす
  • その後、枠はしっかりと乾燥させる

注意:
糊が十分にふやける前に無理に剥がそうとすると、木枠を傷めたり、糊残りが多くなります。
糊付けする部分が傷んで凹凸がひどい場合には軽く紙やすりでこすり、平らにします。


② 糊付けする

障子を平らなところに寝かせます。この段階で障子紙は障子枠の大きさより少し長めにカットしておきます。
でんぷん糊を糊盆に広げ、必要な量だけ刷毛に取ります(目安は障子1枚あたりゴルフボール1個分程度)。

まず刷毛を使って障子枠の紙じゃくり部分に糊をつけ、次に組子に糊をつけます。

ポイント2

  • 紙じゃくり部分は糊がはみ出さないよう丁寧に塗る
  • 組子にはペイントローラーを転がして糊を均一に付ける(ペイントローラーへは刷毛で糊付け)

現場のコツ:
ローラーを使うと、短時間でムラなく綺麗に塗れますが、糊の付けすぎには注意が必要です。


③ 障子紙を張る

障子紙を、端が障子の下端に平行になるように置きます。
下方の紙じゃくり部分に紙を乗せて、指の腹でしっかり押し付けて紙を密着させます。
次に紙を障子の上方に向かって広げ、組子→左右の紙じゃくり→上の紙じゃくりの順に押さえて密着させます。

ポイント3

  • 紙のたるみが出ないよう、中央から上下・左右に向かって指の腹で押さえていく
  • 位置が決まったら、マスキングテープで軽く仮止めしておくと作業が安定

現場のコツ:
障子紙の巻き癖によっては、張り始めでしわが出やすいので、慎重に紙の流れを整えてから広げます。


④ 余分な紙を切って仕上げる

紙じゃくりの端に専用定規を当て、定規に沿ってカッターでカットします。
最後にはみ出た糊を雑巾で丁寧に拭き取ります。

ポイント4

  • カッターは新品の替刃を使う
  • 1辺ごとに刃を折ると常に切れ味の良い刃で作業できる
  • 定規は専用品を使用すると安定して綺麗に切れる

現場のコツ:
切れ味の悪い刃を使うと、紙がよれたり破れやすくなるので注意。


⑤ 仕上げの霧吹き

カットが終わった後、もし多少のしわが残った場合は霧吹きで整えます。

ポイント5

  • 障子から20〜30cmほど離して、全体に軽く霧吹きをかける
  • 乾燥することで紙がピンと張る美しい仕上がりに

注意:
霧吹きのかけすぎはたるみの原因になるため、軽めが基本です。


張替えが難しい時はプロに相談もおすすめ

「やってみたけどうまくいかない…」「大きなサイズで自信がない…」そんな時は、無理をせずプロにご相談ください。
障子の材質や枠の状態に合わせた専門的な施工で、耐久性も長持ちする美しい仕上がりに整えます。

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お客様の声|実際に試された方の感想

「障子の張替のポイントを見ました。今度試したいです。」(46歳 女性)
「年末の大掃除に向けて、毎年障子の張替えをしています。ポイントごとにとても参考になりました!」(29歳 女性・公務員)


【保存版】まとめポイント

  • 乾燥と糊付けを丁寧に
  • ローラー活用で均一に
  • 刃は常に新しく保つ
  • 霧吹きで仕上げを整える

※本記事は、スマートシニアのための体験型フリーペーパー『SENSE』vol.13に寄稿した内容を加筆・修正しています。