障子張替えのコツ|キレイに仕上がる方法を張替え職人がお伝えします
昔は年に一度張替えていた「障子」。
家の中から和室が少なくなり、生活様式も変わってきたので、ご自分で毎年張替えをする方が少なくなってきました。
一方では、DIYの人気から、「自分で張替えたい!」とチャレンジされる方も増えているように感じます。
張替えの現場でも、ふすまや網戸に比べて、「障子は自分でやるんだけどね~」とおっしゃる方も少なくありません。
張ることに慣れてくると、今度は「キレイに張れるようになりたいな~」と思いませんか?
今回は「ワンランク上の障子張りを目指す方に、張替える際のちょっとしたコツ」を書きました。
【この記事はスマートシニアのための体験型フリーペーパー『SENSE』vol.13に寄稿したものを加筆・修正したものです。】
準備~道具と材料
●雑巾…障子の掃除・はみ出した糊の拭き取りなどに使用します。
●刷毛(はけ)…障子枠や組子に糊をつけます。「付け廻し刷毛」もしくは「切継刷毛」と言われる種類の刷毛を使います。
●糊盆(のりぼん)…糊を広げるための容器です。ここから刷毛に糊をとります。
●でんぷん糊…障子紙を張るための糊です。障子用糊という表記で売っているものもあります。
●カッター…余った紙をカットする時に使います。新しい替刃を用意します。
●定規…余った紙をカットする時に使う定規です。普通の定規だとカットが難しいだけでなく、手を切ってしまう危険も増します。専用の定規を用意することをお勧めします。
●ペイントローラー…組子の糊づけで使うと、早く綺麗に仕上がります。
●障子紙…張替える障子の幅と長さを確認して、障子枠より大きな紙を用意します。
☆その他、あると便利な道具☆
〇スポンジ…古い紙を剥がす時に、障子を濡らすために使います。
〇プラスティックの定規…古い障子紙を剥がす時にあると便利です。
〇霧吹き…仕上げで使用します。
〇マスキングテープ…巻癖のある障子紙を仮止めするために使います(セロハンテープでもOK)
作業~障子の張替え
古い障子を剥がす
水を含ませたスポンジで糊が付いている部分の障子紙に水をつけます。
雑巾や刷毛で水をつけても構いません。
糊が水で溶けたら紙を剥がし、固く絞った雑巾で枠や組子に残った糊や汚れを拭き取ります。
ポイント1
十分水をつけてから5分程度時間をおいて、糊が溶けるのを待ってから紙を剥がす。
紙を剥がした後に、糊がついていた部分をプラスチック定規でこすり、残った糊をこそぎ落とす。
その後、枠は十分に乾かしてください。
ポイント2
糊付けする部分が傷んで凹凸がひどい場合には軽く紙やすりでこすり、平らにします。
糊付けする
障子を平らなところに寝かせます。
この段階で障子紙は障子枠の大きさより少し長くカットしておきます。
でんぷん糊を糊盆に必要な量だけ広げます(障子1枚につき、ゴルフボール1個程度)。
まず刷毛を使って障子枠の紙じゃくり部分に糊をつけます【写真参照】。四方の枠に糊をつけたら、次に組子に糊をつけます。
ポイント3
紙じゃくり部分の糊はできるだけはみ出さないように丁寧に。
組子へはペイントローラーを転がして糊付け。
(ペイントローラーへは刷毛で糊付け)
障子紙を張る
障子紙を、端が障子の下端に平行になるように置きます。
下方の紙じゃくりの部分に紙を乗せて、指の腹でよく押し付けて紙を密着させます。
次に紙を障子の上方に向かって広げて、組子→左右の紙じゃくり→上の紙じゃくりの順に押さえてよく密着させます。
ポイント4
紙のたるみがないように広げ、位置を決めたらマスキングテープで仮止め。
組子への密着は、障子の中央から上下、左右に向かって指の腹で押さえます。
余分な紙を切って仕上げる
紙じゃくりの端に定規を当て、定規に沿ってカッターでカットしていきます。
最後にはみ出た糊を雑巾で拭き取り、糊が乾いたら完成です。
ポイント5
カッターは新しい替刃に交換し、専用の定規を使う。1辺切るごとに刃を折り切れ味の良い刃を使う。しわが目立つ場合には霧吹きで湿らせて乾かす。
◇◇◇
5つのポイントを押さえて張替えれば、見違えるほど美しく仕上がります。
今年の張替えはきれいな仕上がりを目指してみませんか?
『SENSE vol.13』の当記事を見たお客様からの感想
・障子の張替のポイントを見ました。今度試したいです。(46歳女性)
・年末の大掃除に向けて、毎年障子の張り替えをします。ポイントごとに参考になることばかりでした。(29歳女性・公務員)
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