「しょうぬける」ってご存知ですか?【金沢屋日本平店】
当店は、ふすま・障子・網戸などの張替え専門店です。
お客様のご自宅に伺って見積もりを行い、障子やふすまをお預かりして工房で張替え、出来上がったものを納品しています。
扱う商品から、ご依頼いただくのは比較的ご年配のお客様が多いのですが、その会話の中で、普段あまり耳にしない日本語や方言に出会うことがあります。
今回ご紹介する「しょうぬける」という言葉もそのひとつ。
障子やふすまの劣化を表す時に使われるこの表現について、意味や使い方を調べながら、張替えの目安についてもお話しします。
「しょうぬける」とは?意味と使い方
ある日の見積もりで、障子の張替えをご依頼いただいたお客様との会話です。
見本を見てもらいながら障子紙の特長をご説明していたところ、
お客様:「こっちの窓の障子は、触ることがほとんどないから、かなり時間が経っていて、しょうぬけてるんだよね」
とおっしゃいました。
私は「しょうぬけ?」と首をかしげましたが、施工担当スタッフは意味を理解していて、
「そうですよね、どうしても“しょうぬけ”ちゃいますよね~(^^)」と普通に受け答えしています。
方言かな?と思いながら帰り道に担当スタッフに尋ねてみると、
「しょうぬけるって言わない?方言かどうかは知らないけど…」との返答。
気になって調べたところ、「しょうぬける=しょうがぬける(性が抜ける)」で、本来の性質・形状が失われることを指すとわかりました。
つまり「古くなってボロボロになる」という意味で、障子やふすまの紙が劣化した状態を表すのにぴったりの言葉だったのです。
いわゆる「ボロくなる」。
静岡弁で言うと「おぞくなる」にあたりますね。
💡 『しょうぬける』を使う時のニュアンス
「しょうぬける」は、【固まりがボロボロになる】よりも、【紙や布、ビニール袋などの平面的なものが古くなって触れるとポロポロ崩れる状態】に使われることが多いようです。
実際、この話をした友人から「車の中に置きっぱなしにしていたお店の袋がポロポロになったけど、これも『しょうぬける』なの?」と質問されたこともありました。
担当スタッフの説明では「そうそう、平面の物に対して使うことが多いね」とのこと。なるほどな~と思いました。
障子やふすまが『しょうぬける』瞬間とは?
平面である障子紙やふすま紙、網戸も、経年劣化によってボロボロと剥がれてしまいます。
新しい紙や網戸は少し触った程度では弾力があり、破れることはありませんが、年月とともに「しょうぬけ」ていきます。
さらに、日がよく当たる場所にあるか、海風にさらされることが多いかなど、環境によって劣化のスピードが早まることもあります。
しょうぬけた障子や網戸を放置するとどうなる?
見た目が比較的きれいに保たれていても、実は中では劣化が進んでいます。
人があまり出入りしない窓やふすま、障子は色あせ程度で「まだ大丈夫」と思ってしまいがちですが、ある日突然、風が通っただけでビリビリと破れてしまうこともあります。
(実際に「風がス~ッと吹いたらビリビリビリ~となってびっくりした」とご依頼くださったお客様もいらっしゃいました。)
また、掃除や荷物の出し入れの際に網戸に軽く触れただけで、思った以上に大きな穴が開いてしまうことも…。
大切なお客様を迎える直前にそんな状態になってしまったら、ショックですよね(T_T)。
張替えの目安|「しょうぬける」前に張替えをおすすめする理由
「ペットも子どももいないし、まだきれいに見えるから大丈夫」と思っていても、実は劣化は確実に進んでいます。
「このふすま(障子・網戸)、最後に張り替えたのはいつだっけ?」と一度振り返ってみてください。
10年前後経っている場合は、見た目がきれいでも内部はしょうぬけてる可能性があります。
突然の破れや穴あきで困る前に、年数が経っているなと感じたら早めの張替えをおすすめします。
当店では比較的ご年配の方と会話することが多いです。
私も40代を過ぎそれなりに長く生きているつもりでも、まったく巡り合わない言葉があるんだな~と今回は新鮮な驚きでした。
ちなみに、これを読んでくださっている皆さんは、
「しょうぬける」ご存知でしたか?
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