障子がすぐ剥がれてしまう|プラスチック強化紙をしっかり張る方法
時々「自分で障子(プラスチック強化紙)を張替えたのだけど、剥がれてきてしまう」というお話を聴きます。
先日、京都でゲストハウスを経営している友人の所へ遊びに行った時にも「張替えたばかりだったんだけど、もう剥がれてきてしまった。どうしたらいい?」と相談がありました。
こういう場合に困るのは「剥がれた部分だけ再度”しっかり”張り直す」というのが難しいところです。
どうしても隙間が出来てしまうんですね。
結論からになってしまいますが、元通りの状態にしたのであれば張り直すのが一番です。
ただ、見栄えがあまり気にならないようでしたら、応急処置的な方法(剥がれた場所に再度上から両面テープを張って、プラスチック強化紙を張りつける)でも大丈夫です。
そうは言っても、通常の障子紙よりも割高な物なので、判断に迷われるのはよくわかります(^^;)
後で述べますが、しっかり張るには張る前の処理が重要になってきます。
この記事では、【プラスチック強化紙が剥がれてしまう原因】と【プラスチック強化紙を張るときの手順】、(当店が張替える際に気をつけている大事なポイント】をご紹介します。
そもそも【プラスチック強化紙】ってどんなもの?
表面をプラスチックでコーティングしてある障子紙のことを指します。
コーティングしてあるので、破れにくく丈夫で長持ち、汚れが付きにくいのが特長です。
障子なのに水拭きができます。
デメリットとしては、価格が高いということと、障子紙の特徴である調湿作用がないという点です。
また、表面がプラスチックなので、障子のあるお部屋の環境によっては結露することがあります。中に和紙が入っている製品の場合、切り口から水を吸い上げてしまい、シミができてしまうこともあります。
障子をプラスチック強化紙にする場合は、その特徴を知った上で張替えをご検討ください。
張替えたばかりのプラスティック強化紙がすぐ剥がれてしまう原因
考えられる原因として3つ挙げます。
1、両面テープが弱い(専用のテープを使っていない)
「両面テープならなんでもいいだろう」とお手元にある両面テープを使って張替えた場合、その両面テープの接着力が弱いと剥がれてくる原因になります。
お手元にある強化紙と同じメーカーが出している専用の両面テープであれば、その強化紙の特徴を踏まえた製品だと思います。他社の両面テープを使う場合は、その点をご留意ください。
2、張ってからちゃんと押さえていない(桟~両面テープ~強化紙の密着不足)
シンプルですが「張った後、しっかり密着させたかどうか?」です。
後述した大事なポイントにも書きましたが、ローラー等で桟と両面テープと強化紙をしっかり密着させてください。
3、下地が荒れている(前の剥がし残しがある・傷んで凸凹になっている)
これは、他の障子紙でもふすまの張替えでも同じことが言えますが、剥がし残しや凹凸があれば、密着しなくなる分、剥がれやすくなります。
下処理は面倒に思われるかもしれませんが、手を抜くと二度手間、三度手間になりやすいです。
糊や前の紙が残っていない平らな状態にしてから張り始めましょう。
プラスチック強化紙を張る手順と大事なポイント
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- 古い障子紙をすべて剥がして綺麗にする。
- 障子を張る面(桟や枠の紙を張る部分)が凸凹している場合には、やすりなどで平らにする←《大事!》古い紙の取り残しや凸凹があって密着しないと接着効果が弱まります。専用の両面テープなのに剥がれやすい場合、この辺りの凸凹を綺麗に平らにしているかどうかも点検してみてください。
- 外周と縦桟に両面テープを貼る。
- 障子紙をのせて、下端の位置を合わせる(マスキングテープなどで仮止めすると位置がずれない)
- 下端の両面テープの剥離紙を剥がして障子を接着する。
- 上端から障子紙を巻き上げて、両面テープの剥離紙をすべて剥がす。
- 横桟に両面テープを貼り、剥離紙を剥がす。
- 巻き上げた障子紙を戻し、たるまないようにのせて指でよく押さえ接着する。
- 余分な紙をカットする。(4の時先にカットしてもOK)
- 最後に押さえローラーで両面テープと障子紙を圧着する←《大事!》この手間も省かないでやることで、プラスチック障子紙がしっかりくっつきます。
まとめ
・剥がれてしまった障子を元通りにするのは難しい。しっかり張りたいなら張り直した方がいい。
・張替えは最初が肝心。3つの原因を覚えて対策を。
・桟と両面テープと強化紙、これらをしっかり密着させることがカギ。
プラスチック強化紙の特性を活かすためにも、上手に張り替えましょう。
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「どうしてもうまく張り替えられない!」
「やっぱり専門店に頼もうかな?」とお考えの時は